[新機能] Amazon Q Developerに運用調査機能が追加されました(Preview) #AWSreInvent

[新機能] Amazon Q Developerに運用調査機能が追加されました(Preview) #AWSreInvent

個別のAWS環境を理解したうえで、問題の根本原因や解決方法を提案してくれます。

こんにちは! AWS 事業本部コンサルティング部のトクヤマシュンです。

ラスベガスで開催されている AWS re:Invent 2024に参加しています。
2日目のキーノート:KEY002 | CEO Keynote with Matt Garman にて、Amazon Q Developerの新機能である Operational Investigation Capability(運用調査機能) の発表がありました!

この機能は17年以上にわたってAWSを運用してきた経験を基にしており、他の大手クラウドプロバイダーが提供していない、AWSならではの機能だそうです。

まずは速報として、この機能がどのようなものなのかまとめます。
なお、本機能以外にもAmazon Qはアップデートがたくさんありました。キーノートの発表一覧については以下をご覧ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/aws-re-invent-2024-matt-garman-keynote/

何ができる?

本機能を使うと、Amazon Q DeveloperがAWS環境やリソースを理解した上で次のような作業を自動化してくれます。

  • 何らかの問題が起こっているか?の調査
  • 問題を解決するための次のアクションの提示

調査開始時と調査結果確認時に分けて動きを説明します。

調査開始時

調査を開始するには、下記の3つの方法があります。

  • マネジメントコンソールのCloudWatchメトリクス表示画面から調査ボタンを押して開始
    • CloudWatchコンソール画面からだけでなく、たとえばLambda関数の「モニター」タブのメトリクス表示画面からも調査ボタンを押して開始可能
  • Amazon Qチャットで質問して開始
    • 例:「今日Lambda関数が遅いのはなぜ?」
  • CloudWatchアラームがALARM状態になった時に自動的に調査を開始
    • 事前にCloudWatchアラームアクションとして設定

調査を開始すると、Amazon Q Developer自動で調査を進めてくれます。

調査結果確認時

調査結果はSuggestionと呼ばれ、マネジメントコンソールもしくはAmazon SNSやAWS Chatbotを用いた通知経由で確認が可能です。
Suggestionの種別は下記のいずれかです。

  • Amazon Q Developerが推定した根本原因に関する仮説
  • CloudWatchアラーム
    • リソース個別のもの、複合アラームどちらも対象
  • CloudWatchメトリクス
  • AWS Healthイベント
  • CloudTrailのイベント変更ログ
  • X-Rayのトレースデータ
  • CloudWatch Logs Insightsのログクエリ結果
  • CloudWatch Contributor Insightsデータ
  • CloudWatch Application Signalsデータ

利用者は各Suggestionが問題に関連しているか判断し、Accept/Rejectを決定します。

Suggestionには、原因だけでなくネクストアクションの提案が存在する場合があります。
このネクストアクションの種別は下記のいずれかです。

  • 関連するAWS記事のリンク
  • 関連するAWSドキュメントへのリンク
  • 実行すると問題を解決できると判断された、AWS所有のSSMランブックのリスト
  • 実行すると問題を解決できると判断された、アカウントまたは組織内で作成されたカスタムランブックのリスト
    • ただしカスタムランブックの内容まで把握しているわけではなく、関連付けられたキーワードを基に判断しているとのこと

このようにしてすべてのSuggestionを利用者側で確認し、問題の根本原因となるSuggestionや解決方法を特定していくのが、本機能の基本的な使い方です。

調査対象AWSサービス

現時点で調査が可能なAWSサービス一覧は下記の通りです。

  • Amazon EC2
  • Amazon EBS
  • Amazon ECS on EC2
  • Amazon ECS on Fargate
  • Amazon EKS
  • Amazon DynamoDB
  • Amazon S3
  • AWS Lambda
  • Amazon Kinesis Data Streams
  • Amazon Data Firehose
  • Amazon API Gateway
  • Amazon SQS
  • Amazon SNS

画面イメージ

自身のマネジメントコンソールからus-east-1リージョンのCloudWatchにアクセスすると画面サンプルが確認できますので、ご紹介します。

amazon-q-developer-operational-investigation-capability-01.jpg

複数の画面で横断的に調査を行わずとも、1つの画面で色々なサービスの調査結果がまとまってるのはとても良いですね。

ベストプラクティス

ベストプラクティスが公開されていました。
従うことで精度が上がるのだと考えられます。

  • EC2・EBSの調査にはバージョン1.30049.1以上のCloudWatch Agentを利用
  • ECS・EKSの調査にはContainer Insightsを有効化
  • AWS CloudTrailを有効化
  • CloudWatch Application Signalsを有効化
  • X-Rayを有効化

料金

プレビューリリース時点では無料で利用可能です。
ただし、調査に利用されたテレメトリ情報やリソースクエリ、その他のAPI使用などの料金が発生する可能性はあります。
(ドキュメントには費用は最小限となるようになっているとの記載はありました)

注意事項

  • プレビュー中で、機能などは今後変更になる可能性があります
  • 現在はus-east-1(バージニア北部)リージョンでのみ利用可
  • 本機能の開発または品質向上のためにコンテンツが収集されることがあります
    • AIサービスオプトアウトポリシーを利用することで収集されないよう設定は可能

まとめ

Amazon Q Developerの新機能である Operational Investigation Capability(運用調査機能) を紹介しました。
実際に使ってみないと何ともいえないところはありますが、かなり期待できる機能なのではないでしょうか?
運用は楽できるに越したことありません。皆様も一度試してみてはいかがでしょうか?

本エントリがどなたかのお役に立てば幸いです。

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